ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドは、ロイヤルコペンハーゲンで最も有名なシリーズといっても過言ではない、伝統ある人気シリーズです。
ロイヤルコペンハーゲンと言えば、ほとんどの方はこのシリーズの模様を頭に思い浮かべるのではないでしょうか。それほど中心的で伝統のある普遍的なシリーズです。
この記事ではそのロイヤルコペンハーゲンの旗艦、フラッグシップともいうべきブルーフルーテッドについてプロがわかりやすく徹底的に解説していきます。
目次
ロイヤルコペンハーゲンの伝統、ブルーフルーテッドの基本
まずはロイヤルコペンハーゲンの伝統であるブルーフルーテッドはどんなシリーズなのか、歴史やシリーズ名から基本的な情報をご紹介してまいりましょう。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドはデコレーション「No.1」
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドは、1775年にロイヤルコペンハーゲンが開窯したその年に、一番最初にできたディナーサービスであるとされています。記念すべき工房初のパターンであるブルーフルーテッドには、デコレーションナンバーとして、1番が割り当てられています。
このブルーフルーテッドに似た図柄は今や世界中にありますが、やはりロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドは世界中から絶賛され、真のブルーフルーテッドと位置づけされています。技術の高い職人のハンドペイントによる絵付け、1枚のプレートを描くのに1197回も筆を動かしていることなどが、高い評価につながっています。
写真のブルーフルーテッドは、ハーフレースというタイプのコーヒーカップアンドソーサーの裏側なのですが、「756」という数字がまず目に入りますでしょうか。その上に「1」と書かれているのがお分かりになるかと思います。この「1」がデコレーション番号を表しており、ブルーフルーテッドであることを示しています。ちなみに「756」という数字はこちらのコーヒーカップアンドソーサーの形の番号です。1/756と言えば、ブルーフルーテッド(No.1)のこの形のカップアンドソーサー(756)を示すということです。
ただ1980年代より、徐々にこの「1」や「756」の番号が手描きではなくなっており、それと同時に番号の付け方も変わってきております。ブルーフルーテッドのデコレーション番号の「1」も書かれなくなっていたりします。そのあたりの事情については以下でまとめておりますので気になる方はご参照ください。
ロイヤルコペンハーゲン伝統の「ブルー」
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドの「ブルー」はもちろん青です。
ロイヤルコペンハーゲンと言えば、白地に青のイメージがすっかり定着し、伝統の領域に入っていると申し上げても差し支えないでしょう。定番で人気でロングセラーのブルーフルーテッドはロイヤルコペンハーゲン全体のブランドイメージにまで影響を与えている大きな存在です。今後もよほどのことがない限りは定番としてロイヤルコペンハーゲンの中心にい続けるでしょうし、そうあって欲しいものです。
実はロイヤルコペンハーゲンにはブルーフルーテッドの他の色も存在します。黒であったりバーガンディ(ワインレッド)であったり。でもやはり伝統のブルーは一番人気から動きませんね。
「フルーテッド」って何だろう
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドの「フルーテッド」というのは何だかご存知でしょうか。
「フルーテッド」とは「縦じま」のことを表しています。ブルーフルーテッドはブルーのハンドペイントのデザインが美しく、ブルーの部分ばかりに目が行ってしまうかもしれませんが、よく見ると写真のソーサーの外側や、カップ全体に縦線が入っているのがお分かりになるかと思います。
ロイヤルコペンハーゲンはよく「フルーテッド」という言葉をシリーズの名前に使いますが、何らかの形で縦じまが関わっていると思って見ると、一つ楽しくロイヤルコペンハーゲンを見ることができるかもしれませんね。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドの種類
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドにはいくつかの種類が存在しています。
おなじみのあの模様はどの種類でも変わらず美しいのですが、プレートの縁の仕上げが違っていたり、模様の一部を拡大して書いてみたりと様々なバリエーションが生み出されています。また色違いもあったりするのですが、ここでは青と白のブルーフルーテッドでどんな種類があるのかを見ていきましょう。
写真はブルーフルーテッドのパイプですね。「え?ロイヤルコペンハーゲンってそんなものも作っているの?」と思われた方も多いかもしれませんね。はい、こちらは正真正銘のロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドのパイプです。バックスタンプも見てみましょう。
ブルーフルーテッドの証であるNo.1が刻まれているのがわかりますね。
ちなみにバックスタンプからこれが何年に製造されたのかもわかります。気になる方は以下の記事から何年に作られたものか調べてみましょう。
いかがでしょうか。思ったよりも古かったでしょうか。それとも最近だと感じられましたか?
バックスタンプを見ているだけでもロイヤルコペンハーゲンの歴史の一端が垣間見えますね。
プレイン
全てのブルーフルーテッドの基礎となっているのがこのロイヤルコペンハーゲン、ブルーフルーテッドプレインです。続けて紹介するハーフレースやフルレース、ダブルレース、メガもすべてこちらのプレインがベースになっていると申し上げて問題ないでしょう。
シンプルながらも気品があり、優雅なロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドのデザインは、世界中で認知されているといってよいでしょう。ブルーフルーテッドの絵柄の起源は中国と考えられておりますが、真のブルーフルーテッドとしてデザインや認知を昇華させたのはロイヤルコペンハーゲンといっても差し支えないでしょう。
ブルーフルーテッドプレインだけでも様々なお品があります。
こちらから様々な種類のプレインを確認してみましょう。
ハーフレース
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッド、ハーフレースは、プレイン、フルレースに次いで生み出された、プレインとフルレースの間のような位置づけのシリーズです。ハーフレースの名前の通り、プレインが半分、フルレースが半分というイメージでしょうか。
こちらの小さなバタープレートの縁の部分を見ていただけると分かりやすいと思いますが、次に紹介するフルレースだと、縁の部分がピアス加工されて穴が開いているのですが、こちらはくぼみがつけてあるのがお分かりいただけるかと思います。このように縁がエンボス加工(浮き彫り)されているのがハーフレース最大の特徴となります。
ハーフレースにも様々な種類のお品が用意されています。以下から少し覗いてみましょう。
フルレース
ロイヤルコペンハーゲンのフルレースのプレートです。フルレースはプレインを基にデザインが考案され、プレインの次に生まれたさらに優美なワンランク上のブルーフルーテッドと言えるでしょう。
フルレースは縁の部分にピアス加工が施され、穴が開いているものがあるのが特徴です。プレートの縁には無数の穴が開いており、個性的で美しいお皿としてテーブルの上で活躍するでしょう。
こちらのプレートもフルレースのお品です。ピアスというか網の目のようになった素敵なプレートです。
こちらはフルレースのカップアンドソーサーです。プレートは口を直接つけませんから、ピアス加工で穴があいていましたが、カップは直接口を付けるものですからもちろん穴は開いていません。穴が開いていたら飲みにくくてしょうがないですし洗うのも大変ですね。
フルレースにも多くのお品がありますので一度見てみてくださいね。
ダブルレース
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドの中にはダブルレースと呼ばれるものが存在します。こちらは正式にはフルレースの一部のようですがこちらでは敢えて分けてご紹介いたしましょう。
ダブルレースはプレートとカップアンドソーサーが確認できていますが、写真のものはダブルレースのプレートになります。ピアス加工で穴が二列にわたって開けられているようなデザインで、フルレースをさらに2重にしたようなイメージでしょうか。大変な手間と技術が感じられるお品ですね。
こちらはダブルレースのカップアンドソーサーと呼ばれるものですが、2020年時点の公式ページでは「フルレース」のカップアンドソーサーとして紹介されています。写真のような六角形のカップアンドソーサーは「ダブルレース」として販売されていることも多いのですが、フルレースとされているようです。
先にご紹介した、六角形ではなく丸みを帯びたフルレースのカップアンドソーサーは2020年時点では公式ページには見られないようです。以下が先のフルレースと、ダブルレースとされることの多い六角形のカップアンドソーサーのソーサーだけの比較ですので少し見比べていただければ違いが判るかと思います。こちらでは六角形のものをダブルレース(ダブルフルレース)として、丸みを帯びた八角形のものをフルレースとして紹介いたしますが、名前の付け方だけであって、歴史的にはこの2種類は写真の通り存在しているということになりますね。
メガ
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッド、メガは2000年生まれで、ブルーフルーテッドの他のシリーズと比較すると新しい時代に生まれたシリーズということができます。特徴は簡単に言うと、ブルーフルーテッドの模様の一部を拡大してシリーズ化したようなデザインです。そのためデザインはアシンメトリーで、全く左右対称ではありません。
デザインスクールの学生カレン・キエルガード・ラーセンが持ち込んだアイデアから始まったデザインとされています。ブルーフルーテッドのモチーフの一部を大胆にデフォルメしたデザインとモチーフを大きく描いたことにより、大きな余白を生まれました。それが盛り付けた料理を生かすことにもつながったシリーズです。
伝統のブルーフルーテッドが少し変わった形で生まれ変わったようなシリーズということができるでしょう。価格も少しお手頃にリリースされています。こちらのメガも多くのお品がリリースされています。
メガは比較的新しいシリーズですので、楽天市場などが品揃え豊富でしょう。メガが気になるという方は一度確認しましょう。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッド、写真ギャラリー
ここまではカップアンドソーサーやプレートなど、ベーシックなお品を中心に、ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドをご紹介いたしましたが、もちろんブルーフルーテッドはコーヒーポットやティーポットをはじめ、その他さまざまなお品があります。
カップやソーサーの様々な角度からの写真や、多種多様なブルーフルーテッドの中のほんの一部ではありますが、様々なブルーブルーフルーテッドの写真を見てみましょう。
プレイン
カップアンドソーサー
プレート
ティーポット
茶器セット。急須、湯飲みセット
ハーフレース
プレート
カップアンドソーサー
ティーセット。ポット、シュガー、クリーマー
フルレース
プレート
カップアンドソーサー
コーヒーポット
ダブルレース
プレート
カップアンドソーサー
メガ
プレート
カップアンドソーサー
メガは比較的新しいシリーズですので、楽天市場などが品揃え豊富でしょう。メガが気になるという方は一度確認しましょう。
いかがでしたでしょうか。ブルーフルーテッドといっても覚えきれないくらいの種類があることがお分かりいただけたかと思います。また廃盤になって手に入れにくいものも多くあります。お気に入りのブルーフルーテッドと出会っていただけたのなら編集部一同、嬉しく思います。