ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーといえば、有名なロイヤルコペンハーゲンの中でも人気のあるシリーズですね。ブルーフラワーには3種類のパターンがあり、それぞれ、プレイン、カーブ、アンギュラーと言います。
ロイヤルコペンハーゲンと言えば、この色合いともいうべき白と青のコントラストをもったブルフラワーは、青の濃淡のみで描かれた種々の美しい花々の図柄が特徴です。残念ながら3種類ともに2016年には廃盤となっておりますが、ここではそんなブルーフラワーについて詳しく調べるとともに、廃盤でも手に入れることが可能ですので、その方法なども合わせてご紹介したいと思います。
目次
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーってどんなシリーズ?
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーは1779年にロイヤルコペンハーゲンの2つ目のシリーズとして誕生しました。
1つ目のシリーズはもちろん有名なブルーフルーテッドです。ブルーフルーテッドでも後に出てきたフルレースやハーフレースよりもブルーフラワーは1世紀(100年)以上先輩です。歴史が深くて、100年が短く感じられてしまいそうですね。
1つ目のシリーズ、ブルーフルーテッドについてはこちらで詳細にご紹介しています。ロイヤルコペンハーゲンと言えば、ほどんどの人が思い浮かべるあのデザインのシリーズですね。
1つ目のブルーフルーテッドと2つ目のブルーフラワー、この2種類のシリーズが今のロイヤルコペンハーゲンのすべての新しいシリーズに通じているという、ロイヤルコペンハーゲンの礎といってもよい基本的なシリーズです。
しかしながら、ブルーフラワーはすでに廃盤となっています。ブルーフラワーは3種類あるのですが、2016年までに順次廃盤になってしまったのです。でももちろん手に入れることを諦めることはありません。アンティーク・ヴィンテージショップなどではまだまだ抜群の人気を誇る現役のロイヤルコペンハーゲンです。
それではロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーとはどんなシリーズなのかをデザイン面から紐解いていきましょう。
ブルーフラワーはデンマークの庭からたった今摘んできたようなハンドペイントが特徴的なデザインです。
コペンハーゲン・ブルーと言われるロイヤルコペンハーゲン独特の青の濃淡のみで、チューリップ、バラ、ポピー、カーネーション、マーガレット、アスターなど15-20種類前後のお花をペインターが自由に組み合わせて、ハンドペイントで花束(ブーケ)を描くというとても独創的でユニークなシリーズです。
お花畑に行って、写真を100枚とれば1枚として同じ写真はないように、ブルーフラワーのカップやお皿はすべて違う絵付けになっているといってよいでしょう。一つ一つのお品の違い、個性を楽しむシリーズと言えます。
バックスタンプを見てみましょう。こちらは年代の古めのお品で、デンマークで製造されたブルーフラワーですが、分数のように数字が書かれていますね。分子、上の部分に当たるのが「10」の数字です。これがブルーフラワーの番号です。2つ目のシリーズなのに「10」が書かれていますね。ちなみに1つ目のシリーズ、ブルーフルーテッドはこの部分が「1」です。分母の4桁の数字は器の形の番号を表しています。
年代の新しいブルーフラワーはデンマークで製造されていないものもありますので、「10」が書かれていなかったり、Denmarkと入っていないバックスタンプだったりするものもありますが、ちゃんとしたロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーです。
バックスタンプについて、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーが気になって、詳細を知るより「まずはお品や価格をご自身の目で見てみたい!」という方はこちらでご覧ください。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー3種類のご紹介
それではロイヤルコペンハーゲンのどれも素敵な3種類のブルーフラワーをひとつずつご紹介してまいりましょう。
その3種類とは、プレイン、カーブ、アンギュラーになります。ブルーフラワーは3種類それぞれのシリーズで、カップやプレートをリリースしており、お好みのブルーフラワーでそろえてテーブルを彩ることもできますし、あえて違う種類のブルーフラワーを混ぜて変化を付けて楽しむこともできます。
こちらでは、「コーヒーカップアンドソーサー」と「プレート」をそれぞれのシリーズで写真付きで紹介してまいりたいと思います。3種類の違いを楽しみながらご覧いただくとともに、お気に入りの種類を見つけたり、もちろんカップやお皿以外にもいろいろな器等がリリースされているので、「アンギュラーのティーポットがあったら欲しいなあ」などと考えながら楽しんでいただけると編集部は嬉しく思います。
ブルーフラワープレイン
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワープレインは、ヨーロッパやアメリカではブレイデッド(Braided)といい、ブレイデッドは「編み込み」を意味します。日本ではこのブレイデッドをなぜかプレインと呼び、その呼び方が定着したようです。プレインというのは無地のことですから、編み込み模様が入っているものはブレイデッドと呼ぶのが正しそうですが、日本ではプレインと呼んでいるので編集部もプレインと呼ぶことにします。
また実はブルーフラワーには現存数が少ないのですが、編み込み模様が入っていないカップも存在しているようで、そちらは正真正銘「プレイン」のようです。日本ではどちらもプレインと呼ぶのでしょう。
呼び名は少しややこしいですが、素敵なロイヤルコペンハーゲンであることには変わりありませんから、知識として知っておきつつ、日本では「プレイン」と呼ぶことにしましょう。ブルーフラワーは3種類とも2016年には廃盤となっておりますが、プレインは2012年に廃盤となっています。入手するにはヴィンテージ・アンティークショップなどで手に入れる必要があります。
プレインのプレート
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワープレインのプレートです。お皿の外側がブレイデッド、編み込みのようなデザインになっているのが分かります。
ちょっと分かりにくければ、この記事の最後にブルーフラワーの写真ギャラリーを付けていますのでそちらでアップの写真をチェックしてみてください。
プレインのカップアンドソーサー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワープレインのカップアンドソーサーです。
カップの飲み口の部分が編み込みのデザインになっており、ソーサーの縁側(外側)も編み込みの加工がされているのが分かりますね。カップの真ん中に主役のブーケが陣取っている、素敵なコーヒーカップです。
ブルーフラワーカーブ
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーカーブは、文字通りカーブ、曲線の模様が入っているブルーフラワーになります。リチャードジノリのベッキオシリーズに似ています。
カーブは少し変化を付けたシリーズということができます。次にご紹介するプレートなどを見るとわかりやすいですが、ブルーフラワーのトレード幕である花束(ブーケ)が真ん中ではなくちょっとずれたところに描かれており、他の2種類と比べるとアシンメトリーで変化に富んだデザインとなっています。
カーブのプレート
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーカーブのプレートです。
プレインと見比べると形状の一番の違いはお皿全体に曲線模様が見られること、お皿の縁が波打っていることですね。また少し気が付きにくいかもしれませんが、ペイントの違いとして、主役の花束の位置にご注目ください。
何かに気が付きましたでしょうか。
そうですね、プレインは花束がプレートの中央に書かれているのに対して、カーブは花束が中央から少しずらして描かれています。これによってプレインとはちょっと違ったアシンメトリー感があります。カーブの花束はずらせるものはずらして描かれていることが多いので、楽しいですね。そもそも花束も一つとして同じ絵柄のものはないとされるほど、ペインターが自由に書いているシリーズですので、ブルーフラワーのカーブは、存分に変化を楽しめるシリーズと言ってよいでしょう。
カーブのカップアンドソーサー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーカーブのカップアンドソーサーです。
プレートは縁が波打っていましたが、カップは飲みにくいのでさすがに波打っていません。もちろん曲線のカーブのデザインはカップにもソーサーにも見ることができますので、プレインとのデザインの違いはすぐに分かります。
上の写真ではちょっと見にくいですがソーサーの花束が中央ではなくずらして、全体がアシンメトリーになるように描かれているのが分かります。
ブルーフラワーアンギュラー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーのアンギュラーは「角ばった」という意味の言葉通り、直線的で角のあるデザインが魅力的なブルーフラワーです。パッと見たときの印象が他の2種類とは少し違う印象ですね。
アンギュラーは3種類の中では一番早く2002年に廃盤になっています。
ブルーフラワーの3種類はどれも個性的で素敵ですので、人気も割れるところです。編集部の印象としては現存数は、多い順にカーブ、プレイン、アンギュラーでしょうか。カーブとプレインはそこまで変わらないと思いますが、アンギュラーがこの3種類の中では一番現存数が少ないかなあと思います。
ブルーフラワーは廃盤品ですので楽天などで探すのもよいですね。
アンギュラーのプレート
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーアンギュラーのプレートです。
パッと見た感じの印象が他の2種類とはずいぶん違いますね。角ばった直線的なイメージでデザインされているのが、アンギュラーの特徴です。
アンギュラーのカップアンドソーサー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーアンギュラーのカップアンドソーサーです。
カップもソーサーも角ばったイメージを受けますし、カップの持ち手まで尖っていて、ユニークなアンギュラーのコーヒーカップアンドソーサーです。
角ばっている以外には、プレインのような編み込みや、カーブのような地模様の変化がないので、意外とシンプルさもあるシリーズと言えます。
ロイヤルコペンハーゲンでコーヒーを楽しみたい方はこちらの記事もご参照ください。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーには金彩の施されているお品もある
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーには、金彩が施されたちょっと豪華なお品も存在します。
ここまで読んでいただいた貴方ならこのカップアンドソーサーは、上にご紹介した3種類の中のどれかすぐにわかりますよね?
そうですね、プレイン、ではなく、アンギュラー、でもなく、カーブですね。カップの地模様をよく見れば曲線模様が入っているのが分かるでしょう。すぐに見分けられたのなら、もうブルーフラワーの見分けはきっと大丈夫でしょう。
こちらのカップアンドソーサーはカップの持ち手にも細かく金彩が施されており、優雅なお品です。後の写真ギャラリーにもさらに写真を掲載しているので、お楽しみに。
また特注品かもしれませんが、編集部の確認したところによると、ブルーフラワーには銀色のプラチナ彩も少数ですが存在するようです。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、写真ギャラリー
ここまでロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーの3種類を、プレートとカップアンドソーサーを例に比較してご紹介いたしましたが、もちろんブルーフラワーはコーヒーポットやティーポットをはじめ、その他さまざまなお品があります。
それら多種多様なブルーフフラワーの中のほんの一部ではありますが、様々なブルーフラワーを写真を交えてご紹介いたします。
プレイン (ブルーフラワー)
コーヒーカップアンドソーサー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、プレインのコーヒーカップアンドソーサーです。
プレート
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、プレインのプレートです。お皿の外側の編み込みのような地模様が確認できますね。
スクエアプレート
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、プレインのスクエアプレートです。丸いお皿だけではなくいろいろな形のお皿があります。
コーヒーポット
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、プレインのコーヒーポットです。こちらのコーヒーポット本体にはプレインの印の編み込みがないですね。でも蓋にはキッチリと編み込み模様が見られます。
エッグスタンド
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、プレインのエッグスタンドです。え、エッグスタンドもあるの?と思われた方もいるかもしれませんね。ロイヤルコペンハーゲンは結構多様な器を取り揃えています。
カーブ (ブルーフラワー)
コーヒーカップアンドソーサー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、カーブのコーヒーカップアンドソーサーです。先ほどのカーブのご紹介でも出てきたカップアンドソーサーを色々な角度から見てみましょう。
プレート
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、カーブのプレートです。
縁が波打ち、曲線模様が入り、中央からずらしてブーケが手描きされているのがよくわかりますね。
シュガーポット
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、カーブの蓋付きのシュガーポットです。
曲線の地模様がしっかり入っているのが確認できます。蓋を見ると、ちゃんと中央を避けてブーケが描かれているのが、カーブらしいこだわりだと感じます。
ティーポット
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、カーブのティーポットです。ロイヤルコペンハーゲンでコーヒーだけでなく紅茶を楽しむのも素敵ですね。
ソルトアンドペッパー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、カーブのソルトアンドペッパーです。手書きでSaltのS、PepperのPが書かれているのがかわいらしいお品ですね。カーブの曲線模様もしっかりと確認できます。
金彩のコーヒーカップアンドソーサー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、カーブの金彩のカップアンドソーサーです。先ほどご紹介した際は一枚しか写真がなかったので、こちらでゆっくりご覧くださいね。金彩が細かく施されているのがお分かりになるかと思います。
アンギュラー (ブルーフラワー)
コーヒーカップアンドソーサー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、アンギュラーのコーヒーカップアンドソーサーです。カップの持ち手まで角ばった、直線的なイメージなのがアンギュラーです。
プレート
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、アンギュラーのプレートです。多角形で角ばっているのが特徴的なプレートですね。
ティーポット
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、アンギュラーのティーポットです。アンギュラーはポットまで角ばっています。持ち手も特徴的で徹底していますね。
オープンシュガー
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワー、アンギュラーの蓋なしのシュガーポットです。シュガーボウルというべきでしょうか。角ばった湯呑のようなシュガーボウルですね。
ちなみにロイヤルコペンハーゲンは急須や湯呑もリリースしています。