バカラのタリランドは歴史のあるバカラのシリーズで超ロングセラー商品のひとつです。
そのバカラのタリランド、歴史が長いだけに実は語らなければならないことが山のようにあるシリーズです。
タリランドのことをもっと深く知りたい、手元にタリランドがあるけど友人の持っているタリランドと全然形が違う!?など、
バカラのタリランドについて、お知りになりたい方は、読むだけでタリランドのセミプロになれるでしょう。
それではバカラのタリランドについてゆっくりとご説明をしてまいりましょう。
目次
バカラのタリランド、大きくは2種類
バカラのタリランドの最も大きな特徴といえば、タンブラー型(コップ型)とワイングラス型で歴史が少し違う、というところでしょう。
同じシリーズ名のグラスですので、もちろん一緒に使っても違和感はありません。
またどちらも本物で、しばしば手元のグラスが贋作ではないかと思われる方がいらっしゃいますが、「形状が2種類ある」と思えば理解がしやすいでしょう。
バカラのタリランド、タンブラー型
バカラのタリランドのタンブラー型のグラスです。六角形をベースにした、個性的な形状のグラスですね。
側面の凹凸が激しく、ロックグラスであってもこの形状ですので、かなり特徴的なデザインといえるでしょう。
クリスタルは厚めに思われがちですが、口元のクリスタルは薄めに作られており、飲み口の良さは担保されていると言えるでしょう。
また見た目通り、飲み口以外の部分は重厚でクリスタルも厚めですので、重厚感や存在感と、飲み口の良さが両立されているグラスであると言えます。
大きなロックグラスやハイボールグラスから、小さなショットグラス様々な大きさのグラスがあります。
バカラのタリランド、ワイングラス型
バカラのタリランドのワイングラス型です。同じく六角形をベースにした、ワイングラスです。
こちらも口元は薄く、その他は厚めのクリスタルで存在感があり、深いカットはキラキラと光を反射、屈折させます。
ワイングラス型のバカラのタリランドも、様々な大きさのグラスがあります。
こちらのシャンパンクープなどはアイスクリームカップや前菜用の器としてもきれいですね。
バカラのタリランドの基本情報
デザイン
バカラのタリランドは六角形をベースとしたデザインで、深いフラットカットが特徴的です。
斜めに深く入れられたフラットカットの組み合わせで六角形を表現されており、屈折率の高いバカラのクリスタルの特徴を生かしてキラキラと輝きます。
このような重厚感、存在感を実現しながらも口元は薄く作られておりため飲み口の良さも実現されています。
タリランドのタンブラー型もワイングラス型も、このポイントは双方変わらない魅力です。
また双方ともに重心が低い位置にありますので、グラスとしての安定感もよいと言えます。
種類
バカラのタリランド、タンブラー型
バカラのタリランドのタンブラー型、コップ型のグラスです。様々な大きさのグラスが存在します。
ロックグラス、ハイボールグラス、ショットグラスなどがあります。
デキャンタやピッチャーも存在していますので、ページ最後の写真ギャラリーでご確認ください。
バカラのタリランド、ワイングラス型
バカラのタリランドのワイングラス型はショートステム(脚)のワイングラス型です。
こちらも一番大きなウォーターゴブレットから赤ワイングラス、白ワイングラス、リキュールグラスまでそろっています。
シャンパンクープもありますので、こちらもページ下部の写真ギャラリーにてご紹介しています。
編集部おすすめのお店で、すぐに確認したい方はこちらをご覧ください。人気シリーズですので売り切れの場合も多いですが、お求めのグラスがあればラッキーですね。
バカラのタリランドの歴史とは?バカラの刻印が入る前から存在した歴史的シリーズ
バカラのタリランドの歴史は1937年からとされている場合が多いです。ただ、バカラのタリランドは刻印のないグラスも結構存在していることが知られています。バカラ社が刻印を入れ始めたのは1936年ですので、タリランドが1937年以降から作られたのであれば、タリランドのグラスにはすべてに刻印が入っていることになります。
ですが、間違いなく本物のバカラで、実際には刻印のないものも多く存在します。
編集部の調査では1933年のバカラのカタログにタンブラー型、ワイングラス型両方が掲載されています。
これらの写真は1933年のバカラ社のカタログです。これによりタリランドは少なくとも1933年には製造されていたということになりますね。
タリランドは刻印のないものも多く存在しますので、そのほうが現実に手に入るグラスの状態とマッチしますね。
これによって、バカラのタリランドを1937年からのシリーズとするのは誤りで、1933年には製造されていたと推測できます。
タリランドについては刻印がないことで不安になる方もたまにおられますが、参考になさっていただけると幸いです。
以下でバカラの刻印について詳しく解説しています。
バカラのタリランド、時代によって形が変化したのか?
バカラのタリランドは2種類あることはここまで説明した通りです。
この2種類のうちタンブラー型のグラスは2019年時点でバカラの直営店頭で購入することができます。ワイングラス型のグラスは直営店では販売されていることは少ないです。リプロダクション等で稀に店舗で見ることはできるでしょう。
※バカラ社が廃盤、シリーズ入れ替え等を行うこともありますので、直営店等にお問い合わせください。
ただヴィンテージ、アンティークの世界をのぞいてみると意外なことがわかります。ヴィンテージ、アンティークのタリランドはワイングラス型が非常に多く見つかります。タンブラー型も見かけることはありますが、ワイングラス型に比べると数が少ないですね。
同じ1933年頃に作られたグラスであるのに、当初はワイングラス型のほうがかなり多く作られたということだと編集部は推測しています。1970年以降のグラスに着目すると、1970年代以降はワイングラス型はほとんど見られません。1970年以降の新しい刻印が入っているワイングラス型のタリランドは、リプロダクション等で生産されたものがありますが、希少です。
これは編集部の想像ですが、バカラのタリランドのワイングラス型は、タンブラー型に比べて、製造が難しく、手間もかかると思われます。もしかするとバカラ社が時代の経済事情や、職人の技術力、ガラスやクリスタルの世界的な普及の進み具合等に合わせて、タンブラー型を推進しているのかもしれませんね。
バカラのタリランド、シリーズ名の由来とは
バカラのタリランドの名前の由来は、フランスの外交官、タレーランです。
タレーランは、かのナポレオンからも高い評価を受けていました。ただ、ヨーロッパの均衡を取ろうとしたため、勢力拡大を目指したナポレオンとは意見が合わず、ナポレオンの失脚をも狙った人物とされています。
タレーランは敏腕外交官、美食家、メートル法の発案者という多彩な顔を持つ人物です。
バカラのタリランドの価格帯は
バカラのタリランドのタンブラー型の価格帯は、バカラの直営店にて、ロックグラスで25,000円程度、ショットグラスで20,000円程度であり、バカラの中では一般的な価格帯に属するシリーズといえるでしょう。
※バカラ社が廃盤、価格変更を行うこともありますので、詳しくは直営店等にお問い合わせください。
ワイングラス型については、事実上すでに廃盤となっておりますので通常バカラのショップなどでは手に入れることはできません。ヴィンテージ、アンティーク品を視野に入れて探してみましょう。詳しくは事項にてご説明いたします。
※バカラ社は廃盤品を稀に限定リプロダクション品などとして販売する場合がありますので、バカラのショップで手に入る可能性はゼロではありません。
バカラのタリランドを中古品、ヴィンテージ、アンティークでお手頃に手に入れる
バカラのタリランドをお手頃に手に入れたい、またワイングラス型など、バカラのお店では手に入らないものを手に入れたい場合は、ヴィンテージ、アンティークのグラスを視野に入れるのがおすすめです。
編集部おすすめのお店ではグラスによりますが、タリランドを10,000円前後から15,000円前後で販売されています。普段使いから、ヴィンテージ品へのご理解がある方へのプレゼントまで幅広く人気を博しているようですので、ご興味があれば一度のぞいてみるのがおすすめです。また楽天市場などでも見つけることができると思いますが、価格帯は楽天内のお店によってバラバラですので実際にお確かめください。また楽天は様々なお店がありますので、稀にタリランドでないものをタリランドとして販売されている場合もありますので、ご注意なさってください。
バカラのタリランド、タンブラー型、写真ギャラリー。
ロックグラスなど(様々なサイズあり)
ハイボールグラス(タンブラー)
バカラのタリランド、ワイングラス型、写真ギャラリー。
ワイングラス
シャンパンクープ
バカラのタリランド、デキャンタ&ピッチャー、写真ギャラリー
デキャンタ
ピッチャー
バカラのタリランドに似ているグラスの写真ギャラリー
バカラのタリランドは似ているグラスがありますので、間違うことのないようにお買い上げください。
ここにある以外にも似ているグラスはあります。ステム(脚)の部分がタリランドはそろばんの玉のように丸いのですが、その部分が玉になっていなかったり、異様に小さなものも存在するので避けるようにしましょう。
以下の2種類のグラスはどちらもバカラのグラスで間違いないのですが、タリランドと誤表記されている場合が散見されます。
バカラのブルボン
一見バカラのタリランドに似ていますが、こちらは同じバカラでもブルボンというシリーズです。
ステムの部分が特に違いますね。
以下はタリランドですので、見比べてみましょう。
バカラのアルクール、ハイボールグラス
編集部はあまり似ているとは思わないのですが、アルクールのハイボールグラスをタリランドと勘違いしたり、その逆が散見されます。アルクールはグラスの側面がほぼストレート、タリランドは凹凸が結構ありますので見比べれば違うものだとすぐにわかるでしょう。
以下がタリランドのハイボールグラスです。見比べてみましょう
いかがでしたでしょうか、バカラのタリランド、奥が深く歴史も古いシリーズでした。
参考にしていただけたのであれば編集部は嬉しく思います。