高級クリスタルといえば、バカラと答える人は多いでしょう。日本のみならず世界で愛され続けるバカラのグラスはなぜ一流であり続けるのでしょうか。
バカラのグラスの特徴と魅力からその理由を紐解いてまいりましょう。
1764年からの歴史を持つバカラ。その長い歴史と共に、一流たる所以をプロと共にまとめました。
不動の大人気、王侯貴族にも愛されるバカラのグラスの特徴・魅力とは
「バカラ」と聞けば、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。高級品?プレゼント?使うにはもったいない。。。
色々なご意見があると思います。
バカラというブランドは長い間、不動の人気を誇っています。
ここでは様々なデータやアンケートなどの情報から、バカラがどんな存在で、何故人気なのかを考えてみましょう。
高級グラスの代名詞、バカラ
高級グラスといえば、「バカラ」の名前はすぐに頭に思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。バカラは高級グラスの代名詞といってもよいくらいよく知られた存在でしょう。
バカラは歴史上の王侯貴族や、現代でもロイヤルファミリーからセレブリティなど世界中の多くの人々に愛されている高級クリスタルであり続けています。
バカラの本国であるフランス王室はもちろんのこと、イギリス王室、ロシア皇室などのヨーロッパの他国でも、ほかの地域では我が国日本の皇室、タイ王室やモロッコ王室までも、バカラの注文履歴があります。1921年には、昭和天皇(当時皇太子)が旅行でパリのバカラショップに足を運んだ記録が残っています。
身近なところではいかがでしょうか。お金持ちな人の家でみたり、高級レストランやバーに行ったときに見かけたり、美術館でみたりという方も多いのではないでしょうか。
初めてバカラのグラスを使ったときは緊張したというエピソードがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
それほど多くの人に「バカラ」というブランドの名前が認識され、「高級クリスタル」として知られている物はないといってもよいほどでしょう。
それが高級グラスの代名詞と言えるほどバカラが特徴的で魅力的である証左となっています。

知名度抜群の高級グラスを持つということ
高級グラスとしての知名度抜群のバカラを所有するということは、ある種のステータスともいえるのではないでしょうか。バカラのグラスを持つことによってどんな素晴らしいことがあるのかを考えてみましょう。
バカラは世間が認める一流のグラスで、各国の王室も注文するような価値あるグラスです。自宅で使うことで、バカラのグラスの良さを実際に体験することができます。バカラのどこが魅力的なのかは後述しますが、言葉や文字だけでなく実際に触れて体験することでさらに理解が深まることは間違いありません。
もったいなくて使えない!という方は、少し目立つ場所に飾って見てはいかがでしょうか。クリスタルの存在感をしっかりと感じることができます。
お客様がいらっしゃったときだけ使うというのもいいアイデアです。お客様への素晴らしいおもてなしになりますし、バカラであれば多くのお客様が気が付くのではないでしょうか。お客様と一緒であれば「使うのがもったいない」ということもなくなるでしょう。グラスについてお客様とお話しするのも楽しいひと時になるはずです。
煌めく、輝く。バカラのクリスタルの魅力
実際にバカラのグラスを使ってみるとその魅力に否が応にも気が付いてしまいます。バカラのグラスが高級だと言われているだけで、品質や魅力が伴っていないのであれば、大人気であり続けることは不可能でしょう。
バカラのグラスには沢山の特徴や魅力があり、詳しくは後述しますが、やはり初めて使ったときに一番に気が付きやすいのは、バカラの「煌めき」「輝き」でしょう。バカラのクリスタルは一般的なグラスでは考えられないほど、キラキラと光り輝くグラスです。それだけでも高級感があり、口にするものが美味しく感じられますし、実は使えば使うほど他の素晴らしい要素にも気が付いてくる、というものです。
プレゼント、ギフトに選ばれ続ける至高のグラス
魅力あるバカラのグラスですから、プレゼントにも大人気で大変喜ばれるギフトの一つとなっています。特に人気なのは結婚式の引き出物や、お祝い事での贈答品としてではないでしょうか。
年代も幅広く、若いカップルのクリスマスプレゼントから、ご年配の方へのプレゼントまで、幅広く愛されているのも特徴の一つです。

以上のように、高級クリスタルグラスとして不動の地位を保ち続けているバカラ。
次はなぜバカラがこのように一流であり続けているのか、その理由をバカラという一流のクリスタルメーカーの特徴にスポットライトを当てて考えてみましょう。
一流のクリスタルグラスメーカー「バカラ」社の特徴的個性とは
バカラのグラスが世界中で大人気であるという現状ですが、なぜこれほどまでにも多くの国で長く人気であり続けられるのでしょうか。バカラが一流たる所以をバカラ社というメーカの魅力ある個性に注目して紐解いてみましょう。
バカラのグラスの価格
普通のグラスが百円ショップでも容易に手に入る時代、バカラのグラスの価格は1客数千円からという価格です。高いものはキリがありません。何十万円、何百万円やそれ以上のグラスも製造しています。旗艦モデルといわれる「アルクール」「マッセナ」などのスタンダードなグラスは3万円程度というのがバカラ価格帯です。
やはり一般的な感覚からすると高級品というお値段ですね。ただそれでも人気であり続けているというのは、それだけの価値があるグラスだと認める方が多くいるからでしょう。それだけ一つ一つのグラスに情熱を注いで製造しているのがバカラです。例えばアルクールのグラスを作るときには、たった一つのグラスを作るのにどれくらいの時間と労力がかかっているのか、想像してみてください。グラスの写真を以下に載せておきます。

アルクール ワイングラス
このグラス1客を作るのに、バカラ社では10時間をかけ、30名の職人の手が必要とされています。いかに手間暇をかけてグラスを作りこんでいるのか、少しお判りいただけたでしょうか。それほどの時間がかけてよいものを作っているのですから、価格は決して高くないともいえるでしょう。
またバカラは技術の粋を集めて高級グラスを作るにも労を惜しまないメーカーですが、同時に多くの人にバカラの良さを知ってもらうためか、数千円のリーズナブルなグラスも発表しています。このこともバカラが幅広い層の支持を集めている一つの理由でもあるでしょう。

B級品は存在しない。B級品は破棄、アウトレットも存在しない
バカラ社が自身に求めるクオリティは非常に高いものです。その最もわかりやすい例を出しましょう。
バカラは製作したグラスの30-50%をバカラの水準に達しない商品として破棄しています。つまりバカラにはB級品は存在しません。破棄しているからです。アウトレットも存在しません。この点について編集部ではインターネット上に間違った情報が流れていることを確認していますが、誤解があってはいけませんので詳しく説明いたします。
もう一度書きますが、バカラにはB級品はありません。メーカー主催のアウトレットや、B級品市などは存在しません。もしアウトレットなどが存在するとすれば、バカラ社が完成品として出したものが、輸送中に欠けてしまった、傷がついてしまったなどの理由で、代理店や販売店がB級品や訳ありとして販売することはあると思います。またアンティークやヴィンテージなどの中古品を流通する際に、ちょっとした欠けなどがあるグラスをB級品として売ることがあるようです。
ただし、バカラがB級品を出すということはありません。バカラが出すのはすべてバカラとしての水準をクリアした商品です。
少し余談ですが、バカラの厳しい水準をクリアしたグラスの中にも、ハンドメイドの特徴ともいうべき、「気泡」や「ガラスのヨレ」、「厚みのムラ」などの製造時の誤差が見られるものがあります。それはバカラ社としてB級品ではないのですが、販売者がB級品として売り出したりすることもあります。そのようなものを見つければお買い得ではありますので、気にならなければ手に入れるのもよいかもしれませんね。
バカラ社の技術力の高さ
バカラ社はフランスの「M.O.F.」(フランス最優秀職人)を多く抱えています。フランスにとどまらず、世界でも指折りの一流の職人たちがバカラには在籍しています。
そのため「カット」と呼ばれるグラスに切れ込みを入れてデザインする技術をはじめ、もちろん基本の成型技術やエッチングの技術、クリスタル製造時関わる多くの技術において世界でも一級の技術を有しています。その高い技術を持って、世界中にハンドメイドの高級グラスを届けているというわけです。
時代に変化に合わせるバカラ社の柔軟性

出典: https://www.fashion-headline.com
バカラ社は時に驚くほど柔軟な発想で商品をプロデュースします。一部ご紹介すると人気アニメ「ワンピース」とのコラボ商品、鳥獣戯画が描かれたグラスセット、スヌーピーのクリスタルオブジェ、くまモンのクリスタルオブジェ、など、「バカラがこんなことをするのか」と思うほど柔軟な発想で商品をプロデュースします。
このような柔軟で時代に合わせた発想からもバカラが伝統だけでなく新しい時代を感じたり変化に対応することができるメーカーだということがうかがい知れます。柔軟性もバカラの特徴、魅力といえるでしょう。

バカラのグラスの多様性
バカラ社は1764年からの歴史上、膨大な種類のグラスを製造してきました。その数は何千種類、何万種類、それ以上かもしれません。編集部の調査でも何百種類というシリーズ名が既に判明していますし、そのシリーズの中にも何種類ものグラスがあります。100年以上続くシリーズもあれば、一年など非常に短い期間で終わるシリーズもありました。
かなり多くの種類があるということは、編集部おすすめのバカラのヴィンテージ・アンティークをメインに扱っておられるお店を少し覗いていただくとわかるかと思います。バカラのお店では現在制作されている数十種類ほどのグラス等しか確認できませんが、それ以外にもかなり多様性に富んだグラスがあることがすぐにお分かりいただけるでしょう。
※こちらのお店は楽天市場などにも出店しておられますので、グラスの総数としては、楽天などのショッピングモールがもちろん多いのですが、ショッピングモールはいろいろな出店者が集まっていますので同じグラスがいくつも並んでおり、種類をたくさん見たい場合は不向きです。単体のショップではバカラ取扱数で日本最大級(おそらく日本一)の品揃えではないかと編集部は考えています。
バカラのグラスの商品自体の特徴。他のグラスと何が違う?
バカラのグラスが世界的に人気だということ、バカラというメーカーの特徴を少しご紹介いたしましたので、次は実際の商品がどのような特徴、魅力を持っているのかをプロの視点でご紹介いたしましょう。バカラのグラスをより深く体験、ご理解頂けますと嬉しく思います。
素材
バカラのグラスはフルレッドクリスタルという素材でできています。フルレッドクリスタルとは酸化鉛の含有率が30%以上、密度が3.00g/cm3以上とされていますが、バカラのクリスタルはこの基準を優にクリアしているとされています。フルレッドクリスタルの特徴は弾いたときの音色が素晴らしく、色は透明に限りなく近く、光の反射率や屈折率が高く、重く、といった主な特徴があります。順に説明をしてまいりましょう。
音
バカラのグラスは指などで弾いたりした際に「キーン」と美しい音が響きます。形状にもよりますが、よく響くグラスだと10秒以上も残響音が響きます。ロックグラスであれば氷とグラスがぶつかって奏でる「カランカラン」という音が特徴的で、その音色に大きな魅力を感じるという方も少なからずおられます。

色(透明度)
バカラのクリスタルは限りなく透明に近いとされています。歴史的にガラスは透明度が高いほど品質が良いとされてきました。それほど透明度の高いクリスタルを作るのは難しいことだったのです。バカラのクリスタルは世界で最も透明度が高いと言われるほど、透明度が高く、それによるグラスの透明感、清涼感が人々を魅了しています。
反射率、屈折率が高い
バカラの生み出すフルレッドクリスタルは光の反射率や屈折率が高いとされています。バカラのカットの技術などと相まって、バカラのグラスは複雑な光の反射や屈折を生み出し、キラキラと何物にも代え難い輝きを放ちます。バカラクリスタルの煌めきの虜になる方も多くいらっしゃいます。
重さ
バカラのグラスは密度が高く、存在感、重厚感があります。ずっしりとした重みのあるロックグラスでウイスキーを嗜むのがバカラの楽しみ方とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。重さを生かしたクリスタルの厚みのあるグラスも多くバカラは発表していますので、重厚感を感じたい方はこのような視点もお持ちになっているとよいでしょう。

薄さ
バカラのグラスは薄いものから集めのものまで様々ですが、薄いものは触ったら壊れそうなほど飲み口が薄く作られているものもあります。「高級なグラスは飲み口が薄い」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、バカラの薄いグラスは非常に口当たり、飲み口が良いグラスです。ただしもちろん割れやすいという点もありますので、お好みで選ぶのが良いでしょう。逆に分厚いものは「重さ」の項目と関連しますが、重厚感が出ます。飲み口もバカラのクリスタルですから決して悪いものではありません。
薄さについては好みが分かれるところではないでしょうか。
飲み口加工
一般的なグラスは飲み口にコーティングがされています。これはグラスの飲み口が欠けにくくするための加工ですが、バカラなどの高級グラスにはこのような加工はありません。
飲み口をコーティングすることは飲み口が多少なりとも分厚くなってしまうわけですから、当然飲み口の悪さにつながってしまいます。また飲み口をコーティングすると口に当たる部分がコーティング剤だったりするわけですから、ガラスの良さを出せているとは言えません。バカラのグラスはたとえ厚めのクリスタルでも飲み口がいいのは、コーティングをせずに直接クリスタルに触れるという点も大きく関係があります。
ハンドメイド
ハンドメイドのバカラのグラスは、1点として全く同じものは存在しません。カットの高さも微妙に違ったり、クリスタルの厚みや、グラスの高さ、口径にも多少ばらつきがあります。そのため不規則に光が反射したり、1つ1つのグラスに個性があったり、手作りならではの温かみとも呼ぶべき特徴があります。
ハンドメイドの魅力もバカラファンがよく挙げる点の一つです。
刻印
最後にバカラの刻印、ついているだけで箔が付きます。刻印を見て「バカラ」だと思われる方がほとんどかもしれませんね。ただしバカラ通の方は刻印がないバカラを愛用していたりします。実はバカラのグラスは1936年以前のものには刻印がありませんでしたし、年代によって刻印も変化してきました。
最後にご参考までに刻印の写真をいくつか掲載しておきますが、詳しく刻印について知りたい場合は以下をご参照ください。様々な種類のバカラの刻印、レリーフ、シール、偽物の刻印までご紹介しております。


こちらは1936年以前の希少な当時のブランドシールです。これがついているものは今やかなり珍しいです。

1936年から1969年に使用されていたバカラの刻印です。

こちらの刻印は「BACCARAT」の文字間隔が上の刻印とは違い狭いです。また中央のボトルの形が少し違うのがわかるでしょうか。

1970年から1989年のバカラの刻印。サンドブラストによる刻印でしょう。刻印の周りの円がところどころ切れていますし、全体としてくっきりとした印象です。

1990年からは、刻印に加えて、レーザーによる「Baccarat」のサインが入ります。
さて、バカラのグラスの特徴、魅力について様々な視点からご紹介してまいりましたがいかがでしたでしょうか。より深くバカラを体験していただく一助となれますことを編集部一同願っております。
